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アルツハイマー型認知症薬「レカネマブ」の投与を開始しました
当院では2024年2月より『アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度認知症に対するレカネマブ (レケンビ^R )』による治療を開始いたしました。
この薬剤はアルツハイマー病患者様の脳に蓄積しているアミロイド蛋白を取り除くお薬で、2週間おきに約1時間かけて点滴投与します。治療期間は18ヶ月と定められています。
※アルツハイマー型認知症新薬について
昨年12月に厚生労働省にて承認されたアルツハイマー型認知症治療新薬は、認知症疾患医療センター等のアルツハイマー病の病態、経過と予後、診断、治療を熟知し、認知症疾患の診断及び治療に精通する医師が本剤に関する治療の責任者として配置されかつ、投与に際して必要な検査体制が構築されている医療機関であることが投与施設の要件として示されております。
具体的には、日本認知症学会または日本老年精神医学会の実施するアルツハイマー病の病態・診断・本剤投与対象患者および治療に関する研修を受講した専門医が2人以上在籍し、MRI検査や脳脊髄液検査ができる設備があることなど、多くの要件を満たす必要があります。
当院は基準を満たす現在数少ない施設の1つとなります。
注意事項
- ✓投与開始から18ヶ月後の時点で、病気の進行を約6ヶ月遅らせるとされています (※アルツハイマー病を完治させる薬ではありません)。
- ✓アミロイド関連画像異常 (ARIA)という有害事象が知られており、脳浮腫 (ARIA-E)や脳出血(ARIA-H)が生じることがあります。特にApoE4遺伝子型のホモ接合体保持者の22.5%でARIA-Eが生じたと報告されていますので治療開始前に血液検査を行って、ApoE4遺伝子型を確認することが望ましいと考えます。(※ただし、この検査は自費扱いとなりますが、本治療の開始における必須条件ではありません。)
- ✓ARIA-Eの92.0%が治療開始から6ヶ月以内に生じたり、また、点滴中あるいは点滴から24時間以内に、頭痛・悪寒・発熱・嘔気・嘔吐が生じることがあります (26.1%)。有害事象を早期に発見し、対応するために当院では治療開始からの6ヶ月間については1泊2日の入院で治療を行うことにしております。
- ✓薬剤費だけでおおよそ298万円/年掛かりますが、健康保険の診療対象となり、各種公費及び高額療養費制度により負担軽減される場合があります。詳しくは病院/クリニックの医事課受付でご相談下さい。
ご予約/ご受診について
本治療を希望される患者様は、かかりつけ主治医からの診療情報提供書をご準備いただいた上で、湘南東部クリニック 脳神経内科外来(担当:伊藤医師)をご予約ください。
なお、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度認知症の診断がついていない患者様については従来通り、湘南東部クリニック脳神経内科のメモリークリニックへの初診予約をお願いいたします。
ご予約/お問合せ
湘南東部総合病院/湘南東部クリニック 予約センター(TEL:0467-83-9192)