診療科・部門

放射線科

診療内容・特色

星川嘉一[写真]
図1
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図2
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図3
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図4
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放射線診療とは以前は大きく、診断学、核医学(PETを含む)、放射線治療学の3つに分けられていましたが、近年IVRというものが発達してきて、4つに分類される様になってきました。ここではその4つについて簡単にご紹介いたします。

診断学(放射線診断、画像診断)とは単純写真(胸やお腹のレントゲン写真など)、透視検査(胃のバリウム検査など)、CT、MRI、超音波の画像検査を行い、その画像を判断することです。

検査を行っただけでは意味がなく、その判断が重要になってきます。もちろん正しい画像が得られていなくては正しい判断は不可能ですので診療放射線技師の協力なくては成り立ちません。

MRI、超音波検査は放射線を利用しておりませんが、画像診断の重要な一部を占めますので放射線診療の一部に含まれます。また、侵襲的な検査として、血管造影という検査が有りますが、現在は検査のためだけに行われる事は少なく、後述するIVR(治療目的のカテーテル手技)目的に行われる事がほとんどです。

核医学とは放射性核物質を用いて検査、治療に応用するもので、当グループ内では、茅ヶ崎中央病院にあるPET-CTが該当します。がんの検診や治療効果判定に有用なものです。ごく少量の核物質を血管注射し、検査台の上で数分から30分程度寝ているだけで検査が終了します。

図5
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図6
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図7
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図8
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次に、放射線治療についてですが、がんの3大治療法の1つで、局所のがんを抑制し、生命予後の改善を期待するもので、がんの種類によっては放射線だけで治療可能なものもあります。例えば声門(声を出すところ)がんの早期のものは放射線治療だけで、5年生存率(5年間生きた人の割合)は約90%と言われております。

一般的に放射線治療は体の外から放射線をあてる外部照射を行いますが、その装置はリニアックと呼ばれています。治療は1週間のうち5日間治療し、合計20回から35回くらいの回数が必要で、1回は5分から15分(実際に放射線が出ているのは2分弱)程度で終了します。

図9
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図10
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この治療でチョット嫌な事は治療部位の皮膚にマジックで線を書かれる事と治療部位の皮膚が日焼けの様になる事があります。昔の照射ではこの皮膚の変化が強かったため、見た目の悪い治療法でしたが、近年は技術の進歩により程度は軽くなっています。しかし、具体的な変化については放射線を照射する部位で異なりますので、放射線治療を受ける際は担当医(放射線治療医)の説明を受けて下さい。(図9、10)

次に、IVRとは画像診断や血管造影を応用し、画像ガイド下に局所の治療を行うものです。血管造影とは基本的には右足の付け根から、約1.7mmの細い管(カテーテル)を動脈に挿入し、目的の血管までカテーテルを誘導後、造影剤を投与してX線撮影するもので、その部位にがん等の病気が有れば抗癌剤の投与(動注療法)、あるいはその病気に栄養が行かない様に動脈を詰めて(塞栓術)しまいます。

図11
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図12
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また、血管を介してだけでなく、閉塞性黄疸(胆道という所が詰まって体が黄色くなる)の時には皮膚から肝臓を経由し針を刺して溜まった胆汁を体外に排泄する事が出来るPTBD(経皮経肝胆胆管ドレナージ)など、主に経皮的に行われる、画像ガイド下の治療です。ほとんどの場合全身麻酔は必要とせず、約1時間から2時間で手技は終了します。(図11、12)

当院の現状

放射線科医師は2名(専門医)です。仕事内容は主に画像診断で単純写真、消化管造影、CT,MRIの読影と外科や消化器内科等より依頼されるIVRでリザーバー動注化学療法や動脈塞栓化学療法などを行っています。

2009.8.より放射線治療を開始し、外部照射を施行しております。

また、地域の先生方から年間約400件以上の画像診断のご依頼を受け、最新の画像情報とその読影報告書を提供しています。 

最後に

放射線診療は放射線科医師、診療放射線技師、放射線科看護師とチームを組んで診療をしています。放射線診療に関してご質問があれば現場スタッフにお声をかけて下さい。

主な取扱疾患

画像診断

全ての疾患

IVR

心臓、脳血管を除く全て、特にシャントPTA、肝細胞がんのTAE、悪性腫瘍に対する動注、PTBD、膿瘍ドレナージ、胆道ステントなど

放射線治療

全てのがん患者様

主な検査・設備・専門外来など

  • 単純X線撮影装置(CR)2台
  • ポータブル撮影装置2台
  • 透視撮影装置(DR)1台
  • 4列MSCT1台
  • 16列MSCT1台
  • Dual SourceCT1台
  • 1.5TMRI1台
  • 3TMR1台
  • 血管造影装置(DSA)2台
  • 放射線治療装置(リニアック)1台
  • 乳房撮影装置1台
  • 外科用透視装置1台
  • 骨密度測定装置(DEXA)1台

担当医師紹介

星川嘉一[写真]
星川 嘉一ほしかわ よしかず

副院長

放射線科科長

専門分野
  • 放射線医学全般
資格
  • 放射線治療専門医
  • 日本IVR学会専門医
  • PET核医学認定医
  • 検診マンモグラフィー読影認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 臨床研修指導医
  • 日本医学放射線学会研修指導者
医師コメント

ここ地元茅ヶ崎で育った私は、18年間放射線診断から放射線治療まで幅広く、大学病院で修業したのち、地元の病院に帰ってまいりました。地域完結医療を目指して、奮闘努力してまいります。放射線診療に関することは気軽にご相談ください。