循環器内科
よくある質問Q&A(カテーテルアブレーション治療)
心房細動
心房細動に対するカテーテルアブレーションは確立した治療法のひとつです。しかし、その治療成績は術者の力量が関与することも事実です。そのギャップを埋めるべく登場したのが、高周波ホットバルーンカテーテルです。16年の歳月をかけて佐竹先生とともに開発に取り組み、2015年11月に厚労省に認可されました。2016年の4月より保険償還され通常の診療体系で治療を受けることが可能となりました。我々はその開発当初より携わり、種々の実験、臨床研究、多施設共同治験を執り行い、これまでに800例を超える治療経験があります。ホットバルーンの全てを知り尽くしているといっても過言ではありません。また当院では、心臓の解剖に応じてクライオバルーンにも対応し、更に安全性と有効性に優れた圧センサー付きのアブレーションカテーテルで3Dマッピングシステムを導入し、box isolation(左心房後壁隔離術)を行っています。
どうか皆様、16年の歳月をかけてこの日本の地で作り上げたホットバルーンと最新の圧センサー付きのアブレーションカテーテルによるアブレーションで心房細動を根治してみませんか?
皆様の心房細動治療の一助になれば幸いです。
循環器内科 不整脈センター長 曽原 寛
よくある質問
- 現在、薬の服用によっておさまっているので、このままでもいいのでいか?
-
-
将来、他の病気になった時に、出血の問題が生じる。
-
薬は、いずれ無効になる。
-
内服継続中に、心房の筋肉がダメージを受けてしまい、いざアブレーション治療となった際の成績が下がる。
-
- 治癒率は何パーセント位ですか?
-
最終的には・・・
-
発作性心房細動 : 96% (内服薬は数か月後にOFF になります。)
-
持続性心房細動 : 88% (内服薬継続は経過次第です。)
-
慢性心房細動 : 65% (内服薬を一部継続します。)
以下も御参照ください。
-
- アブレーションによる合併症、後遺症はどのようなものがありますか?
-
-
心タンポナーデ
-
穿刺部の出血、
-
脳梗塞、などです。入院時に詳細な説明があります。
-
- 手術実施までの検査のタイミングと検査内容はどのようなものですか?
-
-
採血、胸部レントゲン検査、 左房肺静脈CT、心臓超音波検査です。
-
- 経食道エコーはありますか?
-
-
基本的には、ありません。(CT 検査で十分です。)
-
- 入院のスケジュールは、どうなりますか?
-
-
基本的には3泊4日です。
- 令和2年9月現在、コロナウイルス検査のため長くなる場合があります。(月曜日に治療の方のみ5泊6日です。)
-
- 治療日から退院までの日数はどのくらいですか?
-
-
治療の翌々日です。治療の翌日は、動けますが1 日経過観察するためです。
-
- アブレーション中の麻酔は、何麻酔ですか?
-
-
麻酔は穿刺部の局所麻酔と静脈麻酔で行います。
治療は静脈麻酔により、深い鎮静状態で行われるため痛みは感じません。
-
- アブレーション中は、尿道カテーテルを挿入しますか?
-
-
はい、します。
-
挿入時疼痛の既往がある方や、前立腺肥大治療歴のある方には相談の上細いカテーテルを準備しています。挿入時は麻酔導入後です。
-
- 手術時間は、どのくらいですか?
-
-
2~3時間です。
-
- 術後の安静時間はどのくらいですか?
-
-
4時間安静後、寝返りをしてもいい状態で朝までベッド上安静にして頂き、 翌日早朝に、圧迫固定、尿道カテーテル等を全て外し、歩行可能になります。
-
- 2回目の手術が行われる確率(1回で治らない確率)は?
-
-
発作性心房細動 20%
-
持続性心房細動 30%
-
慢性心房細動 50%
以下も御参照下さい。
-
- 手術後の外来は?
-
-
穿刺部を縫合した場合は、1週間後に抜糸があります。
-
術後1カ月: 問診(不整脈発作の有無)、心電図検査
-
1ヶ月後の外来で問題なければ3ヶ月ごとになります。
-
3ヶ月ごとの外来で心電図検査を行います。
- 必要に応じて、ホルター心電図、心エコー、左房肺静脈CTがあります。
- かかりつけ医からのご紹介で当院を受診された場合は、原則かか りつけ医の受診で経過観察となります。退院後の数回のみ、当院でも心電図検査をおこないます。
-
- 定期検査は術後1年間で終了しますか?
-
-
経過次第です、慢性心房細動は内服継続が多いので継続します。
-
- 複数回のアブレーションが必要との話があるが、複数の手術を予想しておいた方が良いのか?
-
-
可能性はあります。経過次第です。
以下も御参照下さい。
-
- 手術の正式名称は?
-
-
高周波心筋焼灼術です。
-
- 抗凝固剤は継続して服用するのですか?
-
-
脳梗塞(TIA : 一過性脳虚血発作を含む)の既往がある場合は中止しません。
-
基礎疾患(糖尿病、高血圧症など)によって継続する場合もあります。
-
- どのくらい費用がかかるのでしょうか?
-
-
入院費用でご不明な点や、おおよその費用が知りたい方は、当院の1階受付までお問い合わせください。
-
高額医療費支給制度の適応が可能です。
-
- 診断書などがほしい場合は、どうすればいいですか?
-
-
当院1階の受付へお申込み下さい。
-